ooyamasay

詩をただ載せていきます

Fall

Fall すももをしぼって蜜を 夕空にかけていちめん 瞬く魔だけ焦がしたみたいに 生き生きとした色 だけど確実に冷めてきた焔 君のきれいな指先が、落陽色の実をにぎったとき 世界にすずしいさみしい蜜を垂らした 見えぬ底に広がって 誰かの鼻をかすめる夜長に…

満月

満月 君の頬をなでると そこからぽろぽろと真珠 どうしたの もう聴こえない声 冷たくなった顔のそばに もろい珠の山 閉じたまぶたとふせたまつげが ものいいたげに 月の色を問われて あわてる私を鎮める あらがえない事実を 私の心に照らしつけたあなたを 白…

灰色

灰色 白いぶどうをクシャっとつぶして それが乾いてたんだって ずっと川の音が鳴り止まない夜に 夕日が沈んだのは五百年も昔のこと それ以来わたしの心臓の裏、背中の裏には焦げた跡があります どろどろ、じゅくじゅく小さな爆発をしながら やっと沸騰が収ま…

24.7℃

24.7℃ 彼女が上あごをゆっくりと開いて 流れこんできたのは黒い煙 あまりにも濃いからつやが出ていた はじめて血ではないものを吐いた こんなに濁ったものが体内にあったのかと うれしくてほほ笑んでみたら 目からもにじみ出るように黒い煙 指をくぐらせると…

駅のホーム

駅のホーム 雨を着たい といわれてわたしは きらめいて下がる音程 すべる手、シルクのドレスが波打っておちた ハイヒール、足首 どうしたかったの? 糸で縫って白い憂 まだ止まらない雨が 道路のくぼみ流れて そこだけ骨が喰われたあとみたいに 黒くて泡が浮…

一人

一人 雨の音を聞くと染み込んでくる なぜか安心するのは 羽が濡れて重くなり落ち着くからかしら 飛ばなくていいよと言われたいから 膜を溶かすんだ 漏れる月光が 切り抜く手のひら 他人が私について知っているところなんて これだけしかないんだ むなしさが…

あいいろ

あいいろ 青い鉱石を飲んでしまったかもしれない、 とうめきつぶやく君 「水に溶かして飲んだの?」 「いや、私は青い色したお酒を飲んだの。 昨日にはそれがそのままいたのに 体の底であさく波打っていたのに 今ではもう鋭くとがった鉱石だわ。 重いし鈍い…

はじめに

はじめまして。大山星です。 これは、個人的に詩だと思って作ったものをただ載せていくブログです。 まだまだ作りはじめたばかりですが、もしよければこれから投稿する詩を見ていってください。 コメントもくださるとより嬉しいです。 どうぞよろしくお願い…