ooyamasay

詩をただ載せていきます

2023-01-01から1年間の記事一覧

「さようなら」/大山星

「さようなら」/大山星 言った後に 私が突然いなくなれば このさようならは とても美しいものになるのに 吹きけしたろうそく 捨てられないみたい 一度は思い返される言葉になるのに ああ、私が生きているせいで ささいな一言にすぎないなんて 忘れられる日…

レモン一枚/大山星

レモン一枚/大山星 目の厚さと 顔のほくろの位置が 君と一緒だったあの子を好きになった まだあの子は私のことを知らないけれど 近づいてはいけないと思った 君に残した跡を 彼女にも負わせることはできない ましてや世間的には「少数派な」思いを 明かして…

燃える羽/大山星

燃える羽/大山星 まぶたをあげて 羽を奮い立たせるわ だれかにゆるされないわたしのいのち きらめくなみだが 美しく冷たいジュエリー 数だけ見ればとんだお金持ち 私の傷が 血が 透けてみえ さらに色とりどりの輝きへ かわいそうなあの人には まぶたをかる…

間々/大山星

間々/大山星 静けさの中で 垂れる滴さ depth 絶望の音、 光はあるはずだと 思いこまなければならないときの あるはずだと思えばたえられるって 光を見たことないわたしは思わない ぴちょん、ぴちゅん 洞窟の中あるいて 違う暗闇に向かっていただけ 音の響い…

あたま、いたい/大山星

あたま、いたい/大山星 ザラザラザリ…ガリガリガガガ… あれは 教科書で見覚えのある 誰かの尾骨 頭の上を通り過ぎてゆく 痛む頭をなでるかのように 行ってしまった たしか骨の周りは透けていて 夜の群青でした 必死の証言むなしく 「ただの夢」で片付けられ…

涙って/大山星

涙って/大山星 シャワー 愛のつぶつぶ さまざまな きらめきを あびて うるおすはその はだ? いいえ、まなこ それだけ? いえ、心も 黒い影と見まごうほどの なめらかな球体のうえを 走る無数のしずくが輝く それを持った指に滴る水 一粒一粒が集まって一滴…

お月見のうた/大山星

お月見のうた/大山星 歩きながら夜空を見上げて 無邪気に「月が綺麗だね」って 言えなかった私たちへ たぶんあれは確か 去年の今頃 少し肌寒くて 金木犀の香りをまとった空気が 鼻をくすぐる季節のある日 夜の街の明るさにも まけないくらい輝いてた 言葉に…

Innocent Girl/無垢な子

Innocent Girl My doll is fragile And she easily collapses As if a tiger bite Her skin is ripped She is free of blame Just plays house Even when stained She keeps silent So I fix her with scotch tapes And dress her with new pretty clothes S…

Baby/ねぇ

Baby Why you have so clear eyes Shine as embracing sorrow Looking into your eyes I can find a deep hole One day, pulled into your space I fell onto the bottom That was darker than shade But a bit of light streamed from above And inside I c…

すきかも、と

すきかも、と すももを にぎる すりつぶす 歯で すじが 間に残る 消化できぬ 思い しみわたる 酸味 もどかしい 言葉 さいごに貴方の声 とおのいた 響き しるをすくう 指 腕の血管 たどる 目で貴方の一挙手 スローモーション もう二度と会えぬ だから かじっ…

再開します

お久しぶりです。大山星です。 しばらく、詩を書かなくても生きていけるような生活をしてしまっていました。 ですが、最近はまた言葉にたよらざるを得なくなってきたので再開します。 またいつ途切れて、いつ歌い出すかは分かりませんがしばらくお付き合いい…