ooyamasay

詩をただ載せていきます

2023-09-01から1ヶ月間の記事一覧

レモン一枚/大山星

レモン一枚/大山星 目の厚さと 顔のほくろの位置が 君と一緒だったあの子を好きになった まだあの子は私のことを知らないけれど 近づいてはいけないと思った 君に残した跡を 彼女にも負わせることはできない ましてや世間的には「少数派な」思いを 明かして…

燃える羽/大山星

燃える羽/大山星 まぶたをあげて 羽を奮い立たせるわ だれかにゆるされないわたしのいのち きらめくなみだが 美しく冷たいジュエリー 数だけ見ればとんだお金持ち 私の傷が 血が 透けてみえ さらに色とりどりの輝きへ かわいそうなあの人には まぶたをかる…

間々/大山星

間々/大山星 静けさの中で 垂れる滴さ depth 絶望の音、 光はあるはずだと 思いこまなければならないときの あるはずだと思えばたえられるって 光を見たことないわたしは思わない ぴちょん、ぴちゅん 洞窟の中あるいて 違う暗闇に向かっていただけ 音の響い…

あたま、いたい/大山星

あたま、いたい/大山星 ザラザラザリ…ガリガリガガガ… あれは 教科書で見覚えのある 誰かの尾骨 頭の上を通り過ぎてゆく 痛む頭をなでるかのように 行ってしまった たしか骨の周りは透けていて 夜の群青でした 必死の証言むなしく 「ただの夢」で片付けられ…

涙って/大山星

涙って/大山星 シャワー 愛のつぶつぶ さまざまな きらめきを あびて うるおすはその はだ? いいえ、まなこ それだけ? いえ、心も 黒い影と見まごうほどの なめらかな球体のうえを 走る無数のしずくが輝く それを持った指に滴る水 一粒一粒が集まって一滴…

お月見のうた/大山星

お月見のうた/大山星 歩きながら夜空を見上げて 無邪気に「月が綺麗だね」って 言えなかった私たちへ たぶんあれは確か 去年の今頃 少し肌寒くて 金木犀の香りをまとった空気が 鼻をくすぐる季節のある日 夜の街の明るさにも まけないくらい輝いてた 言葉に…