ooyamasay

詩をただ載せていきます

2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧

自暴自棄

自暴自棄 六十度の血が疼いて そんな日には 愛おしそうなまなざしで 白い花弁の先から火をつけて チョコレートを割ったときと 同じような波のうねりと 溢れ出て止まらない 溶岩が指を汚す フフ フフおフ ぼフフフフ フフフれフフ フてフフフフフ つかのまだ…

青ざめた人

青ざめた人 気管に、透明なビー玉がある分だけ 沈んでしまう ビー玉がなければみんなと同じように 元気でいられたのに 胸のあたりにある小さな違和感は いつか取れるのだろうか? 前までは、涙味の飴だと思っていたけど いつまでたっても溶けないし 沈んでし…

軌跡

軌跡 「素敵な笑顔ですね。泣いたことはありますか?」 あなたと交わした一言目 「私、右目の方がちっちゃいの」 「ふうん。見た感じ、左右であまり変わらない気がするけど」 「いや、泣くとき絶対右目から先に涙出る」 「ああ、キャパの話?」 「うん」 「…

Sin

Sin 手首に伝った果汁の透明さを 穴が開くほど見つめてた じゃないと 気持ちが溢れてしまいそうだったから はじめて見る口元の色めきに 時間をゆっくりと感じた ぼくからは 言い訳以外に何も言えないのだけれど ぬすみみる君のまばたきから 心臓に鈍いしびれ…

ソーダ

ソーダ 重力を殺そう そしたら水槽の中と 同じ世界に住めるのに みんなが人魚 汗も涙も誰が誰のだか 分からないね 木みたいな海藻に絡まったあの子も あなたがそっと手を差し出せば たゆたう心とともにほどかれるわ 酸素と水と栄養を吸って 手を取って その…

恋 あなた、光にまぎれて どこかへ行っちゃいそう 空しさを海の底に一つずつ 落としてしずめてきたの? そんな目をしてるから 手をつないでも意味がない 砂みたいにこぼれそう あなたは他人にほほえむほど 傷を一縫いしていくみたい 糸でとじようと 治らない…