恋
あなた、光にまぎれて
どこかへ行っちゃいそう
空しさを海の底に一つずつ
落としてしずめてきたの?
そんな目をしてるから
手をつないでも意味がない
砂みたいにこぼれそう
あなたは他人にほほえむほど
傷を一縫いしていくみたい
糸でとじようと 治らない傷を
ただ重ねていく糸
溶けていくものなど何もない
だからそんなに優しいのね
酷い世界だと笑ったのは遠い昔
あの時のあなたはもう戻ってこないと
悟った今日のわたし
できることなどなにも
ただ脳裏であなたを思い出し
目の記憶で動く輪郭をたどり
なでるしかわたしには
めでるしかわたしには
できない