2022-06-10 満月 満月 君の頬をなでると そこからぽろぽろと真珠 どうしたの もう聴こえない声 冷たくなった顔のそばに もろい珠の山 閉じたまぶたとふせたまつげが ものいいたげに 月の色を問われて あわてる私を鎮める あらがえない事実を 私の心に照らしつけたあなたを 白い光に溶かしていく 長い、しがん ※この詩は2021年度金澤詩人賞の公募に出したものです。