ooyamasay

詩をただ載せていきます

満月

満月

 

君の頬をなでると

そこからぽろぽろと真珠

どうしたの

もう聴こえない声

冷たくなった顔のそばに

もろい珠の山

 

閉じたまぶたとふせたまつげが

ものいいたげに

月の色を問われて

あわてる私を鎮める

 

あらがえない事実を

私の心に照らしつけたあなたを

白い光に溶かしていく

長い、しがん

 

 

※この詩は2021年度金澤詩人賞の公募に出したものです。