2022-06-14 Fall Fall すももをしぼって蜜を 夕空にかけていちめん 瞬く魔だけ焦がしたみたいに 生き生きとした色 だけど確実に冷めてきた焔 君のきれいな指先が、落陽色の実をにぎったとき 世界にすずしいさみしい蜜を垂らした 見えぬ底に広がって 誰かの鼻をかすめる夜長に お願い、一度でいいから抱きしめて ※この詩は2021年度金澤詩人賞の公募に出したものです。