ooyamasay

詩をただ載せていきます

バター

バター

 

表紙を開いて

一ページ、めくったら

もう戻れないね

きみは他人を知って

とわに温かさが

つきまとうことになるさ

どっちにしろさみしいよ

愛しくても、憎くても

 

どれだけいとしくても

そのひとがぼくだけのものになることはないし

どれだけにくくても

そのひとといっしょのつきをみてる、きっと

 

紙が湿る日が来て

ページの前で思い出し笑いをするような日があってもいい

一回で読んでも何回閉じてもいいよ

本を読み終わる瞬間まで

ページが一枚ずつ重力に引かれて最後の一枚が落ちるまでは

ずっとあたたかいんだから