さわやかな人
道に落ちたドロップもぶどうも
絵になる晴れた日の午後のこと
踏切の手前でふいに君が
「ねえ、このバッグちょっと持ってて」
「うん」
ポニーテールをなおして
まるで君は砂浜で波を追いかけたい子どもだった
髪が風になびくのも気持ちよさそうにかけだして
轢かれたんだ
私が気づいた時にはすでに
君はばらけてくずれていた
信じられなかったけど
どこかで気づいていた
急にいなくなるって
手を伸ばせばよかった
なんて、思わないよ
どうせすり抜けて君は
いくつもりだったんだろ
もう、さようなら