ooyamasay

詩をただ載せていきます

さわやかな人

さわやかな人

 

道に落ちたドロップもぶどうも

絵になる晴れた日の午後のこと

 

踏切の手前でふいに君が

「ねえ、このバッグちょっと持ってて」

「うん」

 

 

ポニーテールをなおして

まるで君は砂浜で波を追いかけたい子どもだった

髪が風になびくのも気持ちよさそうにかけだして

轢かれたんだ

 

私が気づいた時にはすでに

君はばらけてくずれていた

 

信じられなかったけど

どこかで気づいていた

急にいなくなるって

 

手を伸ばせばよかった

なんて、思わないよ

どうせすり抜けて君は

いくつもりだったんだろ

 

もう、さようなら